
小さな子どもがいる家庭では、“ちょっと目を離したすきに壁がアート作品になっていた…”
そんな経験を持つ親御さんは少なくありません。
また、賃貸の場合退去費も気になってしまいますよね。
クレヨン、色鉛筆、油性マジック、スタンプ、絵の具など、子どもが使う筆記具は種類もさまざま。
しかも、落書きの種類によって落としやすさが大きく変わります。
本記事では、それぞれの落とし方や退去費はどうなるのかを、わかりやすくまとめました。
目次
壁紙は「素材によって落ち方が違う」
家庭の壁紙の多くは「ビニールクロス」です。
ビニールクロスは耐水性があり、比較的汚れが落としやすい素材です。
ただし、
- 紙クロス
- 織物クロス
- 珪藻土壁
- 塗り壁(漆喰など)
は水拭きできない・色が染み込みやすいため、無理な清掃は逆効果になることも。
落書きを見つけたら、いきなりゴシゴシこすらないように注意しましょう。
この記事では「ビニールクロス」の場合として対処法をご紹介していきます。
※次の章から清掃液・スポンジ・消しゴムを使う対処法が出てきますが、必ず小さな箇所で試してから落とすようにしてください。
クレヨンの場合
クレヨンは「ワックス(油)+顔料」でできており、水だけではほとんど落ちません。
油分を浮かせたり、吸着させたりする方法が効果的です。
効果のある方法
1.中性洗剤(食器用など)で落とす
- ぬるま湯+少量の中性洗剤を薄める
- 柔らかい布で“軽く円を描くように”拭く
- 水拭きして洗剤を完全に除去する
中性洗剤は油汚れに強く、壁紙へのダメージも少なめです。
2.重曹ペーストで吸着させる
- 重曹+水を混ぜてペースト状にする
- 綿棒などで汚れ部分へ塗る
- 数分おいて拭き取る
- 水拭き仕上げ
重曹は弱アルカリ性で、油分の分解を助けます。
ただし、この重曹ペーストを長時間放置することは避けてください。
3.ドライヤーの温風で油分を柔らかくする
油分を柔らかくしてから拭くことで落としやすくなります。
※温風を近づけすぎると壁紙の伸び・変形の可能性があるので、20〜30cmは離しましょう。
NG行動
-
メラミンスポンジで強く擦る
クレヨンは取れても壁紙の表面が削れる可能性 -
除光液(アセトン)をいきなり使う
塗膜が溶け、光沢ムラ・変色の原因になりえます。
色鉛筆の場合
色鉛筆はクレヨンより落としやすく、まずは“削る”→“拭き取る”の順で試すのが基本。
効果的な方法
1.消しゴムで軽くこする
まず最初に試すべきなのが消しゴムでの除去です。
必ず“白い消しゴム”を使い、汚れた部分を軽い力で同じ方向へスッと動かすようにこすります。
強くこすると壁紙の表面を削ってしまう可能性があるため、あくまで軽いタッチが基本です。
色鉛筆は表面に粉状の顔料が乗っているだけのことも多いため、この工程だけでほとんど落ちるケースも少なくありません。
2.中性洗剤を使う
消しゴムで薄く残ってしまった跡は、中性洗剤を薄めて拭き取ると効果的です。
柔らかい布に洗剤液を含ませ、軽く叩くようにして汚れを浮かせていきます。
最後は洗剤が残らないように水拭きしておきましょう。
3.メラミンスポンジを使う
ビニールクロスの場合のみ、最終手段としてメラミンスポンジも使用できます。
ただしメラミンスポンジは研磨力が強いため、力を入れず“軽くなでる程度”を徹底してください。
汚れが薄くなっていくのが確認できればOKですが、もし表面が白っぽく曇ったり、ツヤがなくなったりする「白化」が見られた場合は、すぐに使用を中止する必要があります。
水性ペンの場合
水性は油性に比べて、比較的簡単に落とすことができます。
効果的な方法
1.水拭きをする
水性インクは水でにじむ性質があるため、軽い書き跡であれば、水だけで簡単に薄くなる場合があります。
硬く絞った布で、優しく拭き取るのがポイントです。強くこすると壁紙の表面が擦れてテカりの原因になることもあるのでお気をつけください。
2.中性洗剤で拭く
水拭きで十分に落ちない場合は、薄めた中性洗剤が有効です。
食器用中性洗剤を数滴、水またはぬるま湯に混ぜて薄め、柔らかい布につけて汚れをやさしく拭きます。中性洗剤はインクの色素を浮かせる働きがあり、壁紙へのダメージも比較的少ないため安心して使用できます。洗剤成分が残るとベタつきや変色の原因になるおそれがあるので、最後に必ず水拭きで仕上げるのを忘れずに。
3.アルコール(消毒用エタノール)で少量ずつ拭く
頑固な水性ペンの汚れには、消毒用エタノールが有効です。
アルコールはインクの染料を溶かす力があるため、軽く布に含ませて汚れた部分を少しずつ拭き取ると落ちやすくなります。ただし、塩ビ壁紙の場合はアルコールが表面の塗膜や可塑剤を弱らせ、光沢ムラや変色を引き起こす可能性があります。そのため、広範囲に使わず、少量だけを徹底し、必ず目立たない場所でテストしてから使用するのが安全です。使用後は水拭きしてアルコールを残さないことも大切です。
油性マジックの場合
油性マジックのインクは“染み込みやすく・揮発性溶剤で固着しやすい”ため、家庭で完全に落とすのが非常に難しい汚れです。
・無水エタノール・アルコールを綿棒で少量ずつ使用
家庭で最初に試せる方法として、無水エタノールや消毒用アルコールを綿棒に含ませ、“少量だけ”扱うのが基本です。
こするのではなく、軽く押し当ててインクを吸い上げるようにすると、広がりを防げます。
また、汚れを外側から内側に向かって処理することで、インクが周囲に滲むリスクを抑えられます。
ただし、アルコールは壁紙の表面を弱らせる可能性があるため、必ず目立たない箇所でテストしてから行うのが安全です。
・ベビーオイルなどの油性クリーナーを使う
インクを“油分で浮かせる”目的で、ベビーオイルや油性クリーナーを使う方法もあります。
柔らかい布に少量含ませ、軽く抑えるようにして様子を見ながら使うと効果が出やすいです。
ただし、壁紙表面にオイルが残るとベタつき・光沢ムラ(テカり)が発生しやすく、逆に汚れを増やす可能性もあるため、使用後は中性洗剤で仕上げ拭きして油分を完全に取り除く必要があります。
・専門クリーナーを使う
市販されている油性インク専用クリーナーは強力で、家庭用の中では最も落ちやすい方法です。
しかし、その強力さゆえに 「壁紙の塗膜を弱める」「色が抜ける」「艶が消える」 といった副作用が起きることもあり、扱いは慎重に。
ビニールクロスでもダメージが出る場合があるため、使用前のテストは必須です。
注意点について
除光液・シンナー系は基本的に非推奨
アセトン・シンナー・ラッカー薄め液などの強溶剤は、壁紙表面の塗膜を溶かしてしまう可能性が非常に高いです。
その結果、
- その部分だけ光って見える(光沢ムラ)
- プリント層が溶けて色が抜ける
- 表面が荒れて白化する
など、汚れ以上のトラブルになることがあります。家庭で使うべきではありません。
落書きは退去費にどう影響する?
さて、賃貸の場合退去費がどうなるのかも気になるところです。
結論からいうと、
落書きは「借主の故意・過失」と判断されることが多い。
そのため、原状回復費用が請求される可能性があります。
これは国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に明記されている考え方です。
(ガイドラインは賃貸トラブルの基準として広く用いられている)
ただし、ここでポイントとなるのが 「経過年数(耐用年数)」です。
壁紙クロスの耐用年数は一般的に6年。
6年以上経過している部屋では、価値がほとんど残存していない扱いとなり、
貼り替え費用の満額が請求される可能性は下がります。
どうしても落ちない場合の選択肢
部分リペア
インクを馴染ませ、色を合わせて目立たなくする職人技。
全面貼り替えより安価。
部分張り替え
メーカー品番が残っている、同じロットの商品がまだある、などこれら条件が合えば部分貼り替えも可能かもしれません。
ただ、同じ品番でも僅かに色味が違う、古い方の壁紙は経年劣化している関係で部分修理しても浮いて見えることもありえるので注意が必要です。
全面貼り替え
先述の内容と少し被りますが、落書きが広範囲・インクが浸透・日焼けで色が合わない場合などは全面張り替えも必要になります。。
まとめ
以上、それぞれの落とし方や退去費はどうなるのかを、わかりやすく解説しました。
ざっくりと要点をまとめると以下のようになります。
| クレヨン | 中性洗剤、重曹が有効 |
| 色鉛筆 | 消しゴムが最も効果的 |
| 水性ペン | 水→中性洗剤→アルコールの順 |
| 油性マジック | アルコール少量で慎重に/しかし完全に落とすのは難しい可能性が大 |
落書きを見つけたら焦って
「早く対処しなきゃ!」
となりますが、まず大切なのは、
「まずは目立たない場所でテストする」こと。
ここを守るだけで、壁紙を傷めるリスクは大幅に減らせます。
賃貸に住んでいる方は、
落書きを見つけたら、勝手にこすって悪化させるよりも、まず写真を撮って管理会社に相談するのも手のひとつでしょう。
どうしても落ちない場合は、
「はりかえ隊」のような内装専門業者に相談すると、無理なく原状回復できます。
自分で対処できそうなら試し、難しそうであれば無理はしないでプロに任せるようにましょう。

















