フロアタイルを置くだけなら賃貸でも安心?

フロアタイルを置くだけなら賃貸でも安心?
最近SNSでも話題の「置くだけDIY」、実際のところどんなものなのでしょうか。

賃貸物件に住んでいると、床の模様替えやリフォームには慎重になりますよね。
原状回復義務があるため、退去時に「元に戻せるか」が重要なポイントになります。

最近では、ホームセンターや通販サイトで手軽に購入できる「フロアタイル」を使って、床の印象をガラリと変えるDIYが人気を集めています。
特にInstagramのリールやYouTubeショートでは、置くだけで簡単に施工できる様子を映した動画が多く投稿されており、「これなら自分でもできそう!」と感じている方も多いのではないでしょうか。
もし、動画のように部屋の雰囲気をオシャレに変えられたら最高ですよね。

でも、本当に「簡単に・キレイに」仕上げられるのでしょうか?
また、賃貸でも安心して使えるのでしょうか?

この記事では、フロアタイルを「置くだけ」で施工する方法の実態や、賃貸での活用ポイント、メリット・デメリットを、わかりやすく解説していきます。

そもそも「フロアタイル」って何?

まずは基本的なところから。
フロアタイルとは、PVC(ポリ塩化ビニル)を主成分とする多層構造の床材です。
製品によっては、石灰(カルシウムカーボネート)などを混ぜて剛性を高めた「SPC(石灰複合)」や「WPC(木粉複合)」と呼ばれるタイプもあり、耐久性・防水性に優れているのが特徴です。

見た目は本物の木や石に近く、デザイン性が高いのも人気の理由です。
特に人気なのが大理石調のもの。
簡単にホテルライクな高級感が表現できるという点で人気を集めています。

また、表面は水や汚れに強く、傷にも比較的強いため、キッチン・洗面所・玄関・リビングなど幅広い場所で活躍します。

さて、フロアタイルには大きく分けて2つの施工方法があります。


  • 接着剤で固定するタイプ
    専用のボンドを使い、床にしっかりと貼り付ける方法です。
    プロの施工でもよく用いられ、仕上がりが美しいのが特徴。ただし原状回復が難しいため、賃貸では注意が必要です。

  • 置くだけのタイプ
    接着剤を使わず、床に並べるだけで施工できるタイプ。
    裏面に滑り止めが施されていたり、タイル同士をはめ込むジョイント式になっているものもあります。
    原状回復がしやすく、賃貸ユーザーの間で人気が高まっています。

この記事で主に取り上げるのは、後者の「置くだけタイプ」のフロアタイルです。

SNSで話題!DIY動画で注目を集める「置くだけフロアタイル」

 

InstagramやTikTokなどでは、DIY愛好家が自宅の床をセルフリフォームする様子が数多く投稿されています。
特にリール動画では、BGMに合わせてフロアタイルをスーッと並べる映像が印象的で、「自分にもできそう!」と感じる人が急増しています。

ただし、SNSの短尺動画は“エッセンスだけ”を見せることが多く、実際の施工に必要な下地調整・カット・位置合わせといった細かい工程は省略されがちです。
動画を参考にするのは良いですが、そのままの感覚で始めると「思っていたより大変…」と感じる人も少なくありません。

賃貸でも安心?置くだけフロアタイルのメリット

メリットと注意点

置くだけタイプのフロアタイルは、大きな工事を必要としないので賃貸物件でも人気が高まっています。
その理由は、以下のようなメリットにあります。


1.原状回復がしやすい

接着剤を使わないため、退去時には剥がして元の床に戻すだけ。
フローリングやクッションフロアを傷つけにくいので、大家さんとのトラブルになりにくいのが魅力です。

2.見た目が本格的

ホームセンターやネット通販では、木目調・大理石調・ヘリンボーンなど、デザインのバリエーションが豊富。
部屋の雰囲気を大きく変えることができます。ワンルームでもおしゃれなカフェやホテル風にできると人気です。

3.貼り直し・交換が簡単

一部分が汚れたり傷ついた場合でも、そのタイルだけを交換することができます。
全面張り替えの必要がないので、長くきれいに使えるのも利点です。

4.工事不要で自分のペースでできる

業者を呼ばなくても自分で作業できるため、休日や隙間時間に少しずつ進めることも可能。
DIY初心者でも、事前にしっかり準備すれば十分に対応できます。

意外とつまずくポイント

とはいえ、置くだけフロアタイルは「簡単に見える」だけで、実際には注意すべき点もいくつもあります。


1.床の状態によっては敷けないことも

既存の床に凹凸や傾きがあると、タイルがうまく密着せず、歩いたときにカタカタ音がしたりズレたりします。
クッションフロアの上に直接敷く場合は特に注意が必要です。
下地が不安定な場合は、自己レベリング材や下地用シートを活用して平滑に整えてから施工しましょう。

2.カット作業が思いのほか大変…

部屋の端やドア周りは、まっすぐタイルを置くだけでは収まりません。
カッターで正確にカットする必要があり、この作業がDIY初心者には少しハードルになります。
そして、カットする際は必ずカッティングマットを使用するようにしましょう。

3.重みとズレ対策

置くだけとはいえ、ただ並べただけでは生活の中で少しずつズレることがあります。
家具を部分的に置いて固定したり、滑り止めシートを併用するなどの工夫が必要です。
特に広いリビングやペットのいる家庭などでは、ズレや浮きが起きやすいので注意しましょう。

賃貸で置くだけフロアタイルを使うときの注意点

賃貸の場合、施工前にいくつか確認しておくと安心です。


  • 賃貸契約の内容をチェック
    原状回復義務に関する条項を確認しましょう。
    多くの場合、床を傷つけない範囲であれば問題ありませんが、念のため管理会社や大家さんに確認しておくと安心です。

  • 元の床に直接テープや接着剤を使わない
    フロアタイルを固定したくても、強力な両面テープやボンドは使用を避けましょう。
    撤去時に跡が残るリスクがあります。

  • 裏面の素材に注意
    裏面が粘着質の場合、長年敷いていた後にいざ剥がすと、その粘着質が床にこびりついてしまうことがあります。
  • 湿気や水漏れに注意
    特にキッチンや洗面所など、水回りに施工する場合は、防水性能があるタイプを選び、定期的に状態を確認することが大切です。
    何かを溢してしまった場合、目地の部分から侵入しカビなどのトラブルにつながる場合があるのでしっかり対策しておきましょう。

  • 使用環境によっては固定方法の工夫が必要
    例えばペットや子どもが走り回る環境、日射で温度変化が大きい場所では、滑り止めシートの追加や部分固定などを組み合わせると安心です。

まとめ

以上、フロアタイルを「置くだけ」で施工する方法の実態や、賃貸での活用ポイント、メリット・デメリットを解説しました。

フロアタイルは、賃貸でも原状回復がしやすく、おしゃれな空間づくりができる優秀な床材です。
SNSで話題になるのも納得の手軽さとデザイン性がありますが、実際の施工には下地のチェックやカット作業、使用環境に合わせた工夫など、多少の準備とコツが必要です。
ただ、素人でも十分にDIYが可能なので注意点を頭に入れつつ、素敵な部屋に生まれ変わらせてみてください。

ただ、接着剤で固定するタイプは賃貸では使用が難しい場合がほとんどです。
また、このタイプは素人で施工するのはリスクが高いので、プロにお任せするのが安心です。

「はりかえ隊」では、フロアタイルやクロスの張り替えなど、内装リフォームのプロを地域ごとにご紹介しています。
DIYで迷ったとき、施工をプロに任せたいときは、ぜひ「はりかえ隊」にご相談ください。