「雨漏りでクロスが剥がれた…」
「地震でクロスにひび割れが…」
日本は台風、地震などの自然災害が多い国です。
普段どんなにきれいに維持していても、そういった自然災害によって突然ダメージを受けてしまうことがあります。
ひび割れや剥がれ、シミなどが発生すると、居住空間の快適さや美観が損なわれるだけでなく、放置すれば二次的な劣化を招く恐れもあります。
そこで気になるのが「こうしたクロスの損傷は火災保険で補償されるのか?」という点です。
本記事では、自然災害によるクロスの被害と火災保険の関係について詳しく解説します。
自然災害によるクロス被害の実例
先述の通り、私たちの暮らす日本は、地震・台風・豪雨などの自然災害が多い国です。
外壁や屋根の損傷はもちろん、意外に見落とされがちなのがクロスです。
様々な自然災害によるクロスの被害を見ていきましょう。
地震によるクロスのひび割れ
地震で建物が大きく揺れた際、壁の下地となる石膏ボードのジョイント部分に力がかかり、クロスに亀裂が走ることがあります。
特に窓の角やドア枠周辺は割れやすく、「クロスがボロボロになった」ということも少なくありません。
台風や突風による雨水被害
強風で窓ガラスが割れ、雨が室内に吹き込むと、クロスが一気に水を含んで波打ったり剥がれたりします。
放置すると黒カビが繁殖し、健康被害にもつながります。
これは風災や水災の典型例といえるでしょう。
また、台風などの強風を伴う大雨が降った時に、普段から
豪雨・洪水による浸水
床上浸水が起きれば、壁の下部が茶色く変色し、1週間も経たないうちにカビが発生します。
浸水した水は泥や雑菌を含むため、単なる「見た目の汚れ」ではなく、衛生面のリスクが大きいのです。
落雷や火災による煤汚れ
直接火が回らなくても、火事の煙や煤が部屋中に充満し、クロス全体が黒ずむこともあります。
特にタバコ臭に似た強烈な焦げ臭が壁に染みつくため、張り替え以外の方法では対応が難しい場合がほとんどです。
火災保険が適用されるケースは?
では、こうした被害に遭ったとき、火災保険で修繕費用を補償してもらえるのでしょうか。
基本補償に含まれる災害
火災・落雷・爆発による被害は、火災保険の最も基本的な補償範囲です。
クロスが焦げたり煤けたりした場合は、ほぼ確実に対象となります。
風災補償
台風や強風で窓が割れ、その結果クロスが濡れてダメになった場合は「風災補償」で対応されます。
多くの契約に含まれる一般的な補償項目です。
水災補償
豪雨や洪水による床上浸水は「水災補償」が必要です。
ただし、この補償は外している契約者も意外と多く、被害後に「入っていなかった」と気づくケースも少なくありません。
地震被害は火災保険ではカバーされない
注意すべきは地震です。火災保険単体では地震によるクロス損傷は守られません。
地震保険をセットで契約して初めて補償対象になります。
しかも、クロスの一部だけが壊れた程度では「損害認定基準」を満たさず、保険金が下りないこともある点に気をつけましょう。
火災保険が適用されないケースは?
ここでは「対象外」となるケースを整理します。
・経年劣化
時間が経って自然に黄ばんだクロスや、日焼けで変色したものは対象外です。
・日常の事故や過失
子どもの落書き、家具をぶつけたときの破れなどは自然災害ではないため補償外。
・災害との因果関係が不明確な場合
「雨漏りの跡か経年劣化か判断できない」ようなケースでは認められないこともあります。
・地震被害(地震保険未加入時)
先述の通り、火災保険だけでは地震による壁紙の損傷はカバーできません。
保険金申請の流れ
では実際に保険を利用する際の流れを、具体的に見ていきましょう。
1.被害の証拠を残す
カメラやスマホで写真を撮って証拠を残しましょう。
「アップ」「全体」「被害箇所の位置関係」など複数カットを用意するのが大切です。
2.保険会社へ連絡
まずは代理店や保険会社の窓口へ電話をしましょう。
被害状況を簡単に伝えると、必要書類や流れを案内されます。
3.見積書の準備
修繕予定の業者に依頼し、見積もりを作成してもらいます。
複数の業者から取り寄せるとより安心です。
Check:以下の記事で優良業者を探すポイントを解説しています。
4.鑑定人による調査
保険会社から派遣された鑑定人が現地を訪問。
被害の程度や原因を確認し、補償対象かどうかを判断します。
5.査定と支払い
問題がなければ査定額が決定し、後日指定口座に保険金が振り込まれます。
利用する場合の注意点
火災保険を活用する際にはいくつか注意点があります。
・虚偽申請は絶対にしない
「少しでも多く保険金を受け取ろう」と被害を大げさに書くのは危険です。
発覚すれば保険金詐欺とみなされ、契約解除や刑事責任を問われることもあります。
・全額出るとは限らない
契約によっては免責金額(自己負担)が設定されており、損害が小さいと補償が下りない場合もあります。
・修繕費の見積もりは複数取りが安心
一社だけだと「高すぎるのでは?」と不安になりますし、保険会社からも突っ込まれやすくなります。
・賃貸の場合は管理会社に連絡を
台風や豪雨が原因の雨漏りでクロスが剥がれた場合、賃貸物件の場合はまず管理会社に連絡しましょう。
「使用に適した状態に維持する義務」という責任があり、基本的に貸主負担で修繕してくれます。
・専門業者に相談するメリット
火災保険を使った修繕に慣れている業者なら、見積書の作り方や申請のポイントも理解しています。
初めての人ほど、経験豊富なプロに相談するのがおすすめです。
まとめ
以上、自然災害によるクロスの被害と火災保険の関係について詳しく解説しました。
自然災害でクロスが傷んだとき、火災保険が助けになることは確かです。
ただし、「どの災害が原因か」「契約プランに何が含まれているか」で結果は大きく変わります。
水災補償の有無や、地震保険に加入しているかどうかが特に重要なポイントなので、何か被害が起きた場合は契約内容を確認しましょう。
もし自然災害でクロスが傷んでしまったときは、早めに専門業者に相談し、修繕と保険申請を並行して進めることが大切です。
保険を正しく活用できれば、修繕費の自己負担をぐっと減らすことが可能です。
逆に、知識不足のままでは、本来受け取れるはずの補償を逃してしまうかもしれません。
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