「不意に手を動かした時にクロスを引っ掻いてしまった!」
「ペットが壁紙を破ってしまった…」
「賃貸物件なのにどうしよう…」
日常生活の中で、壁紙やクロスを引っ掻いてしまうことは決して珍しくはありません。
家具を移動するときに角が壁に当たってしまったり、小さなお子さまやペットが遊んでいるうちに爪でひっかいてしまったりと、ふとした瞬間に起きてしまいます。
引っ掻き傷ができてしまうと、見た目が気になるだけでなく、放置することで傷口から壁紙の劣化が広がることもあるため、早急な対応が大切です。
この記事では、クロスを引っ掻いてしまった際の正しい対処法や、自分でできる応急処置、そして専門業者に依頼するメリットについて詳しく解説します。
引っ掻き傷の状態を知る
クロスにできる傷にもいくつかの種類があります。
まずは表面だけに軽く傷が入ったケースです。
この場合は、壁紙自体の機能に影響はなく、見た目の問題が中心となります。
次に壁紙がめくれて下地の紙層が見えてしまっているケースがあります。
この段階になると傷は目立ちやすくなり、そのまま放置してしまうとめくれが広がってしまう可能性があります。
さらに深刻なのは、クロスだけでなく下地の石膏ボードまで傷が達しているケースです。
この場合には、単なる補修ではなく下地からの修復作業が必要になることもあります。
このように傷の程度を正しく見極めることが、適切な対処法を選ぶ第一歩です。
軽度の傷であれば自分で修復することも可能ですが、深刻な傷や広範囲に及ぶ場合には業者に依頼するのが安全です。
次の項目では、傷の深さ別での対処法を解説します。
軽度の傷の場合
表面に浅い傷が入ってしまった程度であれば、市販の補修用アイテムを使って目立たなくすることができます。
例えば、ホームセンターやネットショップで販売されている「クロス用補修ペン」や「補修パテ」は、傷の部分に塗ることで周囲の色と馴染ませることができます。
白いクロスであれば白の補修ペンを使用し、色や柄があるクロスの場合はできるだけ近い色を選ぶことが重要になります。
また、傷が小さくても壁紙が少しめくれてしまった場合には、めくれ部分を接着剤で元の位置に戻す方法があります。
壁紙専用ののりや市販のクロス用ボンドを使い、めくれた部分の裏に少量を塗布してしっかりと押さえると比較的自然な仕上がりになります。
ただし、接着剤を塗りすぎると表面にしみ出し、かえって見た目が悪くなるので注意が必要です。
中程度の傷の場合
引っ掻き傷が大きく、表面の紙が剥がれて下地が見えてしまっている場合には、「補修パテ」を使った方法が有効です。
パテを傷部分に埋め込み、表面を平らに均した後、乾燥させてサンドペーパーで整えます。
その上から壁紙と似た色の補修材やタッチアップペンを使用することで、傷を目立ちにくくすることが可能です。
この作業は一見簡単そうに思えますが、実は仕上がりに大きく差が出やすい工程でもあります。
パテを均一に塗らなかったり、表面をきれいに削らなかったりすると、補修跡が浮き出てしまうことがあります。
あくまで応急的な処置として考え、仕上がりを優先して考えるのであれば専門業者に依頼するのも大切になってきます。
重度の傷の場合
家具や道具がぶつかってクロスだけでなく下地の石膏ボードまで損傷してしまった場合は残念ながら自分での補修は難しくなるでしょう。
もしも石膏ボードに穴が開いたり大きなへこみが生じている場合には、部分的に下地を補修する必要があります。
まず傷んだ部分を切り取り、新しいボードをはめ込み、その上からクロスを張り替える作業が必要です。
この工程はDIYでも不可能ではありませんが、道具や材料が揃っていないと難しく、仕上がりの美しさや耐久性も保証されません。
特に賃貸住宅の場合には、補修の仕上がりによっては退去時の原状回復費用が高額になることもあるため、専門業者に相談するのが安心です。
補修の際に注意すべきポイント
クロスの補修を行うときに避けるべきこととして、まず傷を無理にこすらないことが挙げられます。
汚れやめくれが気になるからといって強くこすると、かえって傷が広がったり、クロスの繊維が毛羽立ってしまう可能性があります。
また、色や柄が異なる補修材を使うと補修跡がかえって目立つ結果になるため、可能な限り近い色を選ぶことが大切です。
さらに、補修に使う材料は必ず壁紙用のものを使用し、木工用ボンドや汎用の接着剤を安易に使用しないことも重要です。
誤った接着剤を使うと、将来的に張り替えが必要になった際に下地を傷める原因になります。
賃貸物件の場合の注意点
賃貸住宅でクロスに傷をつけてしまった場合、補修をどうするかは特に慎重に判断する必要があります。
自己流で補修を試みた結果、かえって傷が目立ってしまい、退去時に高額な修繕費を請求されるケースもあります。
賃貸契約によっては、入居者が自分で修理することを禁じている場合もあるため、管理会社や大家さんに事前に相談することが望ましいです。
また、軽微な傷であれば原状回復費用に含まれるケースもあるため、必ずしも自分で慌てて補修する必要があるとは限りません。
自己判断で動く前に、契約内容を確認することが重要です。
専門業者に依頼するメリット
自分でできる補修はあくまで応急処置であり、完璧な仕上がりを考えるのであれば当然専門業者に依頼するのが間違いはありません。
プロの職人は、傷の大きさや深さなど、その状況に応じて最適な補修方法を判断し、部分補修から張り替えまで幅広く柔軟に対応してくれます。
特に、柄付きのクロスや特殊な素材のクロスは素人では再現性が難しくなるため、専門的な技術が必要となります。
また、業者に依頼することで仕上がりが美しいだけでなく、再発防止のためのアドバイスも受けられます。
家具の配置やペット対策、日常的なクロスのお手入れ方法など、長期的な視点で住まいを快適に保つための知識を得られる点も大きなメリットです。
勿論傷の程度にもよりますが、無理に自分で補修を行ってかえって状態が悪くなるリスクを考えると専門業者に依頼する方が無難かも知れません。
自分で補修を試みたけれど…
専門業者に依頼するメリットをまとめましたが、補足として自分でなんとかやってみて失敗してしまった方の経験談も少しだけ紹介します。
「そもそもクロスに傷をつけたぐらいで業者を呼ぶなんて大袈裟じゃない?」
そう思われる方も少なくないかもしれません。
現状回復に当てはまるくらいの常識的な傷であれば確かにその通りでしょう。
しかし、中には
「この傷を自分で直そうとしたの?」
というような大きな傷を自分で直そうとして後悔した方がいるのも事実です。
・最初は上手くできた!と思っていたけど、時間が経ってパテが乾いてくると補修していない部分のクロスと補修した部分の色味の差が目立ってきた。
・表面を平らにしようとしたのに、ヘラ使いが下手だったのか盛り上がりが生まれて、光が当たる向きによっては凸凹して見えるようになってしまった。
・補修する際にクロスを広げてしまい、パテではカバーできないような隙間が生まれて、余計に補修する範囲が広がってしまった。
・自分ではどうにもできなくなって、結局プロににお願いすることになり、費用も時間も余分にかかってしまった。
このような経験談も見受けられます。
小さな傷でも自己判断で補修しようとすると、かえって仕上がりが悪化することがあるので慎重に判断しましょう。
まとめ
以上、クロスを引っ掻いてしまった際の正しい対処法や、自分でできる応急処置、そして専門業者に依頼するメリットをご紹介しました。
クロスを傷つけてしまった場合の対処法は、傷の程度によって異なります。
傷の程度 | 傷の状態 | 自身での修繕 |
---|---|---|
軽度の傷 | ・軽い引っ掻き傷 ・少しだけ壁紙がめくれている |
「クロス用補修ペン」や「補修パテ」などで 補修ができる可能性がある |
中程度の傷 | ・大きな引っ掻き傷 ・下地が見えている |
「補修パテ」での補修を検討できる |
重度の傷 | ・下地の石膏ボードまで損傷してしまっている ・石膏ボードに穴が開いたり大きな凹みがある |
専門業者に相談するのが安心 |
浅い傷であれば補修ペンや接着剤を使って目立たなくすることが可能ですが、下地にまで達した深刻な傷は専門業者に依頼するのが安心です。
また、賃貸物件の場合は契約内容の確認を怠らず、自己判断で補修を進めるのではなく管理会社や大家さんに相談することが大切です。
住まいの美観を保ち、快適な空間を維持するためには、適切な補修と予防が欠かせません。
もしもクロスに引っ掻き傷を作ってしまったら、慌てず傷の状態を見極め、自分でできる範囲と専門業者に任せるべき範囲を正しく判断しましょう。
間違っても「大家さんや管理会社にバレたくない!!」と無理なDIYによる補修は行わないように気をつけましょう。
全国の優良な壁紙、クロス・内装業者を掲載している「はりかえ隊」では、腕も確かで中間マージンのない直接取引が可能な業者を紹介しているため、余計な費用をかけずに安心して依頼できます。もし、クロスの張り替えをご検討でしたら、是非ともご活用ください。